ビュイックを1150ドルに値上げし、フォードがそれに倣う余地はたっぷり残っていました。


・・・たしかに、通常の財務分析では、フォードとしては過去にそれでうまくいった戦略をつづけることのほかに、それに代る納得のいく道はなかったのです。


ほとんどの評論家は低価格車には大きな市場はないと言い、それを製造する可能性など無視していました。


コストが高くつきすぎるからです。


さらに、個人所得は暖かい季節にしか使用できないような贅沢品を買うには低すぎました。


労働階級にはまだその時期ではなかったのです。


あのフォードの声明でさえ〈まあまあの給料〉の人間に限られていました。


自動車産業は近代経済学の用語でいう〈自然価格〉を見つけて、落着きかけているかに見えました。


ほとんどの製品には、本来コストをまかない〈妥当な〉利潤をあげる、ある決った価格というものがあると、経済学者は長い間信じていました。


それは会計士が計算ではじきだせるもので、結局はその価格に向って供給と需要が落ちついていくというのです。


ウイリー・デュラントは自動車は1910年にその点に達したと思いました。


モデルTでグランド・キャニオンの谷底まで降りてまた登った男もいました。


このようにしてフォードは車の大衆化にとってしばらくの間障害となると思われたこと・・・


つまり道路のないという障害を克服しました。


しかし、最初の年には、850ドルの売価のモデルTは威勢のいい900ドルのビュイックに収益と市場占有率で遅れをとりました。


翌年収益増加のために、フォードはちょうど100ドル増やして950ドルに値上げをしました。


拡大した市場で2倍以上の1万2292台にまで売上げが伸びました。


しかし、ビュイック、オールズモービル、その他の企業がフォードより低い値をつけ始めたために、彼の市場占有率は再び低下しました。


この時がヘンリー・フォードの企業家としての正念場だったのです。


核心的な・・・


しかし、しばしば神秘的と見える企業の法則が、この自動車事業に最も決定的な役を果たす時機でした。


値上げ後の収益増加にのみ的をしぼって見る助言者たちは、各会社の手にあまるほど爆発的な市場の拡大に乗じて1910年に再び値上げをするよう主張しました。


ゼネラル・モーターズはその方法をとったのです。


1975年および1976年、日本は自動車および半導体産業の急速な伸びを含めてビジネス史上に残る数々の景気後退の打開に成功しました。


デュラントの成功はこれに匹敵するものでした。


1908年の販売シーズンになってみると2500ドルのモデル5の大型オープンカーから900ドルの〈白い稲妻〉まであらゆる価格の車を揃えているのはビュイックだけでした。


この「稲妻」は売上げ台数が8485台と倍増し、ビュイックに〈大量〉生産の経験を与え、資本主義の歴史で決定的な対決のおぜん立てを整えたのです。


・・・そこへヘンリー・フォードが驚くべき声明を出しました。


「私はこれから大衆のための車を作る。


家族を乗せられるだけの大きさがあって、しかも個人が走らせたり手入れができるような小さい車だ。


最良の材料を使い、最高の人間を雇って、現代技術で考案できるかぎりの最も単純な設計にもとついて製造されるだろう。


しかし価格は非常に安くてまあまあの給料をとっていれば誰でも1台自分のものにできないことはない。


そして神の与えたもうた広々とした大地を家族と共に楽しむことができるだろう」


・・・フォードはその自負をモデルTで完全に実行しました。


その頑丈さとゆとりについてジョナサン・ヒューズが


「西部の男たちはヤマヨモギと岩石を物ともせずに大ウサギを追うことができた」


・・・と書いています。


また、ジャック・シンプロットが実際にやって見せたように野生の馬を追うことができるほどでした。


「毎日もっといろいろな生野菜や果物を食べ、健康になろう」


という内容の新スローガンが、「5 A DAY」です。


数字の5は、肉などの動物性脂肪の摂り過ぎなどの食生活を見直し、毎日の食事がデザート、サラダ、おやつも含めて、


「1日最低5種類、5カップ、5回、新鮮な野菜や果物を摂ろう、できるだけ種類を多く食べよう」


というものです。


この食育運動は生鮮野菜果物生産者とその販売協会、連邦政府農務省と厚生省、全米科学アカデミー、国立がん研究所、全国コレステロール教育プログラム、健康体力づくり事業財団などによる産学協同企画です。


全国のスーパーマーケット、食料品店、マスコミも参加して、2000年まで続けられました。



先頃、米国ワシントンに本拠をもつ食育財団国際食情報協会は、92年、米国各地に住む6~9歳までの少年少女計400人の面接調査を集計して発表しました。


これによると、6歳児の過半数は健康づくりの基本はバラエティ(多種多様)とバランス(加減)であり、食べ過ぎないことも大切だと理解している。


また応答者の63%は新しい味の挑戦、試食は楽しいとしている。


10人中7人はミルク、シリアル、バナナ、ニンジンなどは毎日食べるべきで、時々にした方がよい食品と識別できることも判明。


「食べたいものは何時でも何でも食べる」と答えたのは、全体の10%に過ぎなかったそうです。



日本商人が清商に圧倒されている原因は、ひとつは清商の団結力とその目前の利益に拘泥しない商法に勝てないことだといわれていました。


また、日本商人は資力に乏しいから、一度失敗すればそれで直ちに退却せざるをえないということ・・・。


そして、日本の製造元ではまだ信用のない日本商人に売るよりか、清商に安く売っているのが現状であること。


・・・これら3つの原因を指摘した上で、結局、日本商人が香港に進出するがためには、以上の欠点を矯正せねばならないことを力説した人がいます。


商売は


「一朝一夕ニシテナルモノニアラズ。


又少額ノ資本ヲ以テ目的ヲ達シ得ベキモノニアラズ。


先ツ其ノ基礎ヲ香港ニ定メ、実地経験アルモノヲシテ


見本物品ヲ携へ各地ニ出張シテ其ノ需要ノアル処ヲ視察シタル上


機ヲ失スルコトナク本社ニ通報シ


以テ其ノ仕入方ノ指揮ヲ行ハシムルコトハ先ツ其ノ手順ノ第一着ナリ」・・・。


マーケッティングの大切さを説いた鈴木領事のこの忠言は、いまでも通用する商売の正道です。


ただ、最後に物流センターと三井物産香港支店の石炭輸入の例をひいて、日本人の進出のためには三井のような方法をとるのが最善策であることをほのめかしていることは注目すべきでしょう。


明治21年中、香港に輸入せられた石炭の総額は34万8670トンで、そのうち日本からの輸入は29万9300トンに上り、総額の実に80パーセントを占めています。


しかも日本からの輸入は殆ど日本人の手を経たものであって、従って香港貿易のなかで日本にとって最大の利益をあげているのは、この石炭です。


このように石炭の利益を日本が独占することができた理由は、その業に当るものの資本が大であって、その局に当るものの任務に適しているためである、としていました。

92年6月、ハワイ州ホノルルで「フードチョイス2000」と呼ばれる国際会議が開催されました。


この会議には、世界各国から食料生産者、食品専門家、ジャーナリスト、医師、環境保護団体代表などが多数参加しました。


このシンポジウムで、


1.栄養、味、環境保護、伝統的食文化の維持の4条件を満たすいい食生活をすることは基本的権利であり、特権ではない


2.子供は選食が健康、文化、環境に影響を及ぼすことについて、正しい教育を受ける権莉を有する


・・・という2点が強調されました。



センショクと聞いて「染色」をイメージする人は多いかもしれません。


米国では豊かさの大衆化がもたらした「祭日食症候群」の予防策として、がんなど成人病にならない「フードファイト(食戦)」、「キッズ・イン・ザ・キッチン(子供を台所に)」運動が静かに広がっています。


その中に必ず組み込まれているのが、フードチョイス(選食)教育です。


多種多様な食品やメニューから賢く、上手に選べるよう指導していく食育の一環で、最も力説されている2語が「バラエティとバランス」です。


健康な食生活を維持・管理していくため、買い物、外食、料理の際は、いろいろな食品からの選択は不可欠です。


新しい味を発見し、楽しむ喜びを教えます。


外食旅行中はメニューをよく見て、新鮭で繊維質の多い、低カロリー食を選ぶことも強調。


さらに少年、少女の食の制限は健全な発育や成長を妨げるため、ダイエットより運動、スポーツを実施することも教育します。



ペンシルベニア大学のヘンリー・ジョーダン博士は、カウンセリングの体験から次の17カ条をあげています。


1.本当に空腹のときしか、食ぺない。


2.食べ物で自分を慰めない。話相手がほしいときは、友人を訪ねるか電話をする。


3.祝い事などの飲食は避ける。祭典などのディナーでは、前菜だけ食べる。


4.自宅での接待はサラダを最初に出し、高力ロリーの料理は最後に出す。


5.残ったご馳走は、客に持ち帰ってもらう。


6.食べ物のギフトは受け取らない。


7.できるだけ、伝統食、民族食ですませる。


8.スナックなどの間食はしない。


9.料理は1食分だけ用意する。


10.台所を活動の場にしない。


11.出前の注文はしない。


12.缶詰、ビン詰、酒類、グラスは小さめを買う。


13.台所の戸棚に保管する食品は、見えないようにする。


14.家族、配偶者、恋人にも協力を求める。


15.どこで何を食べるか、出掛ける前に外食の計画をする。できればカロリー計算をしておく。


16.高カロリーメニューには、代りがあるかどうかを店の人に聞く。


17.時間つぶしに飲食をしない。



ウェルネスは不可避な変化に賢く対処し、健康の維持管理に欠かせない「生き方」です。


より具体的な処方箋、アプローチでもあります。


目指す健康をおいしい手作り料理に例えるなら、ウェルネス・プログラムは、材料の仕込み、調理手順、作り方、味付けなどを提案して伝えるレシピです。


失敗より成功を、マイナスよりプラスをうつし、サイクル、リサイクルしていくのが考え方の原点。


これまでの病気保険を健康保険に転換していく、生活習慣改善、意識革命。


いわば"自分ペレストロイカ"運動なのです。



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